やってみる

アウトプットすべく己を導くためのブログ。その試行錯誤すらたれ流す。

【Webサービス】フリーミアムの危険性について考える

 利用するにあたって予め最悪の事態を想定しておきたい。得意の被害妄想で。

フリーミアムとは

 フリーミアムとは、基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能などについては課金する仕組みである。

 私には「対価を支払っている」という意識を薄める仕組みに思える。

  1. 金を引き出させようとする手口である
    1. フリーミアム」という言葉で支払いへの心理的な抵抗感をへらす
    2. 「クレカ自動引落」によって支払いへの手間・注意・意識をへらす

呼称による印象操作

 フリーミアムは「フリー」とはまるで別物。騙されてはならない。「フリー」と「プレミアム」をかけ合わせた造語らしい。「ミアム」をつけただけで有料とか、もはや詐欺。

課金制(非通知・制限不可・無制限)

 なぜ素直に「課金制」「従量制」と表現しないのか。それだと忌避されてしまうからだろう。

  1. 無料っぽい印象を与える
  2. 安心して使わせておく
  3. 定量を超過させる
  4. 課金させる

 というストーリー。こうなれば利用者は文句も言えない。「お前が使ったんだろ」と言われればそれまで。

 そのくせ、課金発生時に意思決定させず自動引き落としなあたりが悪質。

プレミアム(笑)

 何かにつけて「プレミアム(笑)」と名付けることが一時流行った。これほど安っぽい言葉はない。実際は、質も量も減って、値上がりを繰り返すだけなのだから。たしかにプレミアムが割増という意味なら納得だ。消費者が割りを食う比率や頻度が増したという意味で。

 いずれにせよ、フリーミアムとは、課金であることをごまかし無料であるかのように印象操作するための造語なのだろう。

定量は無料?

 一定量は無料なのだから、真っ赤な嘘ではない。だが、無料分だけ使わせるつもりはあるかというと、それもない。無料枠で使用停止したいのにできないで後述する。

 一定量無料というのは呼び水にすぎない。狙いは、超過させて課金させることにある。そのために「フリーミアム」という名前で印象操作し、「自動引落」によって支払わない選択肢をなくしている。

クレジットカード登録

 フリーミアムならクレカ登録が必須である。超過した分を課金し、自動引落するため。これこそが最大のリスクだろう。

無料枠で使用停止したいのにできない

 そういう設定はできない。超過分を生み出させることで課金させるのが目的だからだろう。ならば無料分だけ使わせるような手段など用意するはずもない。

 せいぜい課金発生時に通知させる機能くらいはあるかもしれない。だが、それも利用停止させられるわけではない。たとえば1000円までと決めて停止したいが、そういうことはできない。これでは本質的な解決にはならない。青天井リスクに晒される。

財布の紐が奪われる

 自分の金なのに、支払いに対する主導権がない。まるで財布の紐を明け渡してしまったかのような状態。きわめて強い危機感がある。

  1. クレカによる自動引落である
  2. 無料枠で使用停止したいのにできない

自動引落のリスク

 クレジットカード登録による自動引き落としであることも、知らないうちに支払ってしまうことに繋がる。手渡しでなく自動化されてしまうということは、勝手に金を渡してしまうということだ。

 これらが合わされば「使った事実さえあれば料金を徴収できる」ということになってしまう。技術的にも、物理的にも、あるいは法的にも。それは消費者側に圧倒的に不利であり、とても恐ろしいリスクにつながる。

「オートブルー」に改名せよ

 この制度はフリーミアムなどと名付けるべきではない。「自動支払い(青天井)」と名付けるべきだ。

 フリー(無料)なのは条件つきである。一定量を越えたら課金されるのだから。だが、支払いが自動引落であることは不変である。また、一定金額に達したら利用中止することができない青天井な引き落としだ。よって「自動支払い(青天井)」と名付けるべきである。

 横文字でごまかすのが好きなら「オートブルー」とでも呼べばいい。顔が真っ青になるような請求がやってくるという意味で。気分が落ち込むという意味で。

リスク

 クレジットカードを登録してしまうと、アカウントハックされたとき、使ってもいない料金請求をされてしまいうる。

 また、アカウントを持っているだけで、勝手に使われていないかいつも監視していなければならない。管理コストが莫大になり気疲れする。相手はインターネットで繋がった世界中の人々である。自分1人vs70億人という圧倒的に不利な構図。全員がクラッカーなわけはないが、数の暴力に晒されることに違いはない。

便利<<<越えられない壁<<<危険

垢ハックはされるもの

 垢ハックはされるものだ。ハックされない、などという楽観はできない。実際、世の中ではすでにハックされまくって社会問題になっている。そんな中で、クレカと直結させた仕組みのWebAPIを使うなど自殺行為に思える。これは企業の体制だけでは解決できない。外部からの攻撃にも晒されるので、保証などできない。

 そもそも、インターネットの仕組みを考えると、繋がっている以上はハックされるリスクがあって当然。

垢ハックは監視して停止してくれる?

 提供側は、急激なAPI利用を検知すると垢ハックの可能性を疑い、一時的にアカウント凍結するなどの対応をしてくれるかもしれない。

 だが、もうこの時点でトラブルに巻き込まれ、時間や労力を奪われることになる。API利用どころか、事実関係を把握するため、説明や証明を強いられるかもしれない。そのあげくに、使ってもいない分まで支払いを命じられる恐れがある。

 仮にアカウント凍結措置などをしてくれたとしても、それ以上被害が拡大するのを防ぐ効果があるだけだろう。それは何の慰めにもならない。そもそもの目的を思い出してみると当然だ。ちょっとAPIを使ってみたいだけなのに、そんなバカ高いリスクを背負おうとは思わない。メリットとリスクが釣り合わない。

 よって、「垢ハックは監視して停止してくれるから安心」などという話にはならない。クレカ垢ハックに伴うリスクを背負ってまで使いたくないのだ。そんな話にすり替えられても納得できない。

セキュリティ対策に付き合わされること自体がリスクである

 コンピュータの性能向上に応じてセキュリティ技術革新が起こり、その都度、対応を迫られる。たとえばワンタイムパスワード、二要素認証、顔認証、……。そもそも、それを行うこと自体がリスクの場合がある。

 たとえば二要素認証。それをするために電話番号を渡さねばならない。セキュリティと称して脅し、個人情報を抜き取ろうとする手法が横行している。セキュリティどころか、むしろ危険に晒されているのだ。さらに今度は顔など他の個人情報まで搾取しようとしているらしい。執筆時点2019-09-16では、とある銀行が、将来的に顔認証でATMを使えるようにする予定だと聞いた。

個人情報を奪われる

 企業は個人情報を企業に売るのだろう。とっくの昔からやっている。携帯電話のキャリア、Tポイント、大手IT企業、人材派遣会社リクルートなど数え切れない企業が、個人情報を売り物にしている。実際、ニュースになって報道された。マイナンバーはその国版だろう。

 どんな顔をした、誰が、いつ、どこで、何をしたか。すべて丸裸にされる。弱みを握られる。これが進むと、人生を食い物にされる。

人生を食い物にされる

 奪われた個人情報のせいで、知らないうちに損失を受けるだろう。たとえば自分の就職や利益をえる機会が奪われる。事前調査された個人情報によって。

 また、広告など偏った情報により、自分の意思決定が知らないうちに誘導されて歪められうる。国や企業などに市場・状況を支配され、不平等な取引を強いられる。薄ら寒い自作自演の自画自賛ではびこる嘘だらけの社会に踊らされる。

 自分の時間・機会・行動・意志を奪われ曲げられることは、プライスレスな損失だ。自分の人生を生きることができなくなり、誰かの都合に支配されることになる。人生まるごと食い物にされてしまう。

所感

 まさかフリーミアムから人生終了に至るとは夢にも思わなかった。しかし、一笑に付すことができるだろうか。

 今私がこうしてPCを使い電気を使うせいで、地球温暖化し、農作物の不作を招いて、食糧不足に陥り、生命の危機によって不安が増し、戦争への機運を高めてしまっている、かもしれない。それと同じだ。小さな発端からは考えられない大きな結果に結びつきうる。バタフライ効果だ。

 すべては繋がっている。ただの被害妄想であってほしい。

対象環境

$ uname -a
Linux raspberrypi 4.19.42-v7+ #1218 SMP Tue May 14 00:48:17 BST 2019 armv7l GNU/Linux