Panasonic Let'snote CF-T5 AW1AXS を分解してHDDをSSDに交換する
4時間かかった。
情報源
交換パーツ
HDD⇢SSD
まずHDDだが、これはIDEという古いインタフェースである。もはや新製品は存在しない。しかもBIOSには137GB上限があると思われる。なので120GB/128GBあたりのSSDにしないと正常に読み込まれないと思われる。調子にのって240GB/256GBとか買っても認識されず泣きをみないよう注意。
今どきのインタフェースはSATA、mSATA、M.2、NVMeなど色々ある。まずはIDEとそれらのうちどれかを変換できるようなデバイスが必要だ。
さらにノートパソコンなので場所が狭いはず。小型であるべき。おそらくマシンにあるIDEのHDDは2.5インチのはず。なので2.5インチのSSDか、それより小さいものになる。
購入
アマゾンでちょうどよい変換器をみつけた。IDE⇢mSATA。なのでmSATAの120GBをあわせて購入。これで交換パーツはそろった。
注意
分解する前に注意。かなり難易度が高い。私は分解から組立まで4時間かかった。
また、ネジの長さがたくさんある。8種類。24個。正しく戻すために長さと数をかいたケースを自作してネジを管理すべき。私はティッシュの箱を工作して都合した。
さらに、両面テープで養生してあるところが何箇所もある(!) 再利用できないのでテープを用意しておくこと。
もう二度と分解したくないと思うポイントを6つ挙げる。
- 分解に3時間、組立に1時間かかった
- ネジの種類が多すぎて管理が大変
- テープで固定してあるところが何箇所かあり戻すときクオリティに差がでる
- バッテリー底の金属部品(キーボード固定)のとりつけ・とりはずしが大変
- トップカバーが内部ケーブルとつながって外せずとりまわしに苦労した
- マウスパット下のテープ状コネクタの取り付けに苦労した
消耗品のグリスやHDD交換などで分解したい頻度はそれなりにある。かんたんに分解・組立できるようにしてほしかった。
背面ネジ
ネジ種 | 長さ | 数 |
---|---|---|
+00 | 12.5mm | 4(2) |
+00 | 10.8mm | 7 |
+00 | 10.5mm | 1 |
+00 | 6.8mm | 5 |
+00 | 4.5mm | 1 |
内部ネジ
ネジ種 | 長さ | 数 |
---|---|---|
+00 | 8.0mm | 2 |
+00 | 6.5mm | 3 |
+00 | 4.4mm | 1 |
8.0mmのものは参考サイトでは6.5mmと書いてあった。しかしほかの6.5mmネジとくらべて明らかに長かったので計測したところ8.0mmだった。誤記だと思う。
必要なもの
- Panasonic Let'snote CF-T5 AW1AXS
- 玄人志向 セレクトシリーズ mSATA SSD IDE変換アダプター KRHK-MSATA/I9
- mSATA 120GB(ELUTENG MSATA to USB3.0 ケース 5gbps 高速データ転送 MSATA SSDケースアルミ合金製 MSATA USB 変換 外付け ドライブケース 30x30 / 30×50mm 超小型 MSATA ケース)
2021-07-17、アマゾンにて購入。
商品 | 価格 |
---|---|
mSATA IDE変換アダプタ | 1791円 |
mSATA | 2399円 |
さらに以下が必要。
- ドライバー(プラス。
00
) - ドライバー(マイナス)
- ピンセット
- ネジ分別ケース(8区分)
- セロテープ(両面テープもあればなおよし)
以下はあったほうがいいもの。
- CPU放熱グリス
このマシンはファンレスなのでCPU放熱グリスが超大事。これがなくなったら熱暴走して死ぬと思う。そのくらい熱くなる。できれば分解するときに補充したい。私はそれに思い至らなかったため、やらなかった。
本当はファンを追加したい。
手順
ノートPCを分解してHDDを交換する。分解工房 Panasonic Let'snote CF-T5/CF-T4を参考に。
- バッテリをはずす
- 背面のネジをはずす
- バッテリ受け底の金具をはずす
- LANコネクタまわりのシールをはがす
- キーボードをはがす
- CPU冷却用シートをとる
- SPケーブルをはずす
- フラットケーブルをはずす
- 透明プラ板をはがす
- トップケースをずらす
- 無線アンテナカバーをはずす
- マウスパッド?の接続コネクタをはずす
- HDDを交換する
- ひっくりかえす
- IDEピンをはずす
- HDDを交換する
- 元に戻す(上記までを逆順に行う)
1. バッテリをはずす
バッテリーを抜く。分解中に通電してしまうと危ない。バッテリーを外し、電源ケーブルも挿していないことを確認してから進もう。
2. 背面のネジをはずす
PCをひっくりかえして背面板がみえるようにする。
ネジ種 | 長さ | 数 | 位置 |
---|---|---|---|
+00 | 12.5mm | 4(2) | ● |
+00 | 10.8mm | 7 | ● |
+00 | 10.5mm | 1 | ● |
+00 | 6.8mm | 5 | ● |
+00 | 4.5mm | 1 | ● |
ネジをとったら分別箱にいれて管理する。
残念ながら私のマシンは12.5mmのネジが2本欠品していた。中古で買ったのでそのときすでに欠品していたようだ。
電源付近が破損している。上記の背面図でいうと最右下の黄色いところだ。中古で買った時点ですでに壊れていた。そのせいでこの場所にあるネジが固定されておらず、ぐるぐる回ってしまい、とりはずすのに苦労した。ペンチではさんで力づくでやった。そのせいかネジもバカになったし、部品も完全にとれてしまった。ここのネジはもう死んだ。
3. バッテリ受け底の金具をはずす
参考URLによるとキーボード固定部品らしい。ツメのついているほう(手前)へ金具をひっぱるそうだが、ツメを押し上げると割れそうで怖い。
いっそ金具のほうをたわませてみる。
とれた。金具が曲がってしまったよ。
この金具、戻すときも苦労する。がんばって格闘するしかない。コツとか有意義なことは書けそうにない。壊しそうになりながら慎重かつ大胆に試行錯誤するしかなかった。
4. LANコネクタまわりのシールをはがす
LANコネクタまわりのシールをはがす。
マイナスドライバーを使った。
もう二度と元に戻らない。さようならシール。
5. キーボードをはがす
ひっくりかえして上面がみえるようにする。
両端のネジをはずす。プラス00
8.0mm。参考サイトには6.5mmとあるが私が測ったところ8.0mmだった。後に出てくる別の箇所の6.5mmより長かったので間違いない。
キーボードをはがす。
キーボードは次のように固定されている。右側2箇所がツメによって抑えられている。また、キーボード下側は本体に差し込む出っ張りがある。さらに2箇所だけ両面テープで固定されている。
キーボードは次のように取り外す。ESCキーのところを持ち上げる。そこから右側の上辺もすこしずつもちあげる。上半身を本体から離す。つぎに下側の両面テープをひっぺがす。最後にキーボードを裏っ返す。
5-1. CPU冷却用シートをとる
CPU冷却用シートをとる。このとき、裏側にCPUの放熱グリスがついている。超大切なのでどこにも接触させずに置くこと!
5-2. SPケーブルをはずす
SPケーブルをはずす。写真の上中央にある小さい白色の部品。こいつの両端をピンセットでひっかけて右側へスライドして外す。
はずれた。
5-3. フラットケーブルをはずす
フラットケーブルを外す。
写真の中央にあるテープ状のやつ。メインボードとキーボードを接続している。
- 接続コネクタの溝にマイナスドライバを差し込む
- 右方向へずらす
- ラッチが右側へ開く
- これで緩まったので外せるはず
ちょっとだけ右側に開いた。
5-4. 透明プラ板をはがす
だが、じつはまだフラットケーブルを外せない。透明のプラ板が両面テープで固定されていた。参考サイトにはなかったのに。
マイナスドライバーでむりやりひっぺがす。
やっとフラットケーブルが抜けた。
これでキーボードが切り離せた。
6. トップケースをずらす
まずは以下3箇所にあるネジをはずす。プラス00
長さ6.5mm。
6-1. 無線アンテナカバーをはずす
無線アンテナカバーをはずす。
下にひっぱるとずれる。
右にひっぱるとケースが外れる。
ネジをとる。プラス00
4.4mm。
6-2. マウスパッド?の接続コネクタをはずす
トップケースをもちあげる。ただし、内部でケーブルとつながっている。そのためゆっくりすこしずつ作業すること。
私のマシンは参考サイトのようにひっくりかえせなかった。なんか参考サイトに書いていないケーブルがくっついているっぽい。あまりに可動域が狭いためカメラで撮影できなかった。
仕方ないので、トップケースをディスプレイ側にすこしずらして作業する。以下のように。
写真中央にある白いテープ状のやつが外したいコネクタである。
その上に黒いシールが貼ってあったのではがす。
接続コネクタのラッチを開く。コネクタの両端にある小さく黒い出っ張りをピンセットで奥へ押す。
テープ状のケーブルが外れる。
この作業、トップケースが外せないせいで非常にやりづらかった。さらにもっとツライのが戻すとき。ピンセットでテープ状のコネクタを差し込むのがしぬほどつらかった。何度もやっているうちに金色の線が1本ずれてしまって焦った。死んだかもしれない。
外れてしまう原因はテープである。そもそも最初から黒いテープで固定してあったのを思いだした。でも元々あった黒いテープは粘着力がおちているので新たにセロテープを貼った。本当にこんなので大丈夫なの? 心配になる。でも両端の小さい黒い出っ張りだけでは固定できないのだから仕方ない。
7. HDDを交換する
それでも謎のケーブルが残っていてトップカバーを外せなかった。参考サイトには書いていなかったし、怖かったのでそのままにした。
仕方なくトップケースを以下のように90度回転させる。するとHDDが右側にみえる。
7-1. ひっくりかえす
手で持ち上げる。ひっくりかえす。
7-2. IDEピンをはずす
IDEのピンを外す。指のツメやマイナスドライバーを使って。
7-3. HDDを交換する
ここでついに新しく購入したパーツの登場! mSATA IDE変換器とmSATAのSSDだ。
mSATAのSSD。120GB。
mSATA IDE変換器。
変換器にSSDをとりつける。
ネジ止めしてない。これはそういう仕様。どうやら上の部分の金属で圧着? というか押さえつけることで止めるみたい。
HDDと交換する。ケースにいれて、ピンをさして、配置する。
HDDの交換に成功した。
8. 元に戻す(上記までを逆順に行う)
さあ、あとはここまでの手順を逆にたどって元に戻すだけ。超大変だけどがんばってね。