やってみる

アウトプットすべく己を導くためのブログ。その試行錯誤すらたれ流す。

わからず屋、わかり屋、わからせ屋、わからされ屋

 人の言葉に対する態度パターンを分析してみた。

結論

 人の言葉に対する態度パターンの原型には以下4種がある。

パターン名 特性 職業例 概要
わからず屋 一貫 職人 人の意見をきかず自分の意志を貫き通す
わかり屋 接待 ビジネスマン 相手に同調し合意を得られるよう誘導する
わからせ屋 脅迫 ヤクザ 相手に圧力をかけ力づくで奪う
わからされ屋 弱者 社会不適合者 意志が弱く、相手に押されてしまう

 これを相手や状況に応じて使い分けることで、より多くの利益を得ることができる。

はじめに

 私たちは誰かの言葉や態度に影響される。このとき人によって、どう応答するか異なる。今回はそのパターン分析を行った。

勝利のために、どう振る舞うべきか

 私たちは人と関わった結果、勝者と敗者に分かれる。

立場 状況
勝者 自分の都合を相手に押し付ける
敗者 相手の都合を押し付けられる

 自分が勝者になるためには、どのような態度をとるべきか。この至上命題への答えが各々とっている態度である。

 交渉では互いに都合を押し付けて妥協しあうことがある。このときWinWinの関係であり敗者はなく、両者とも勝者だという。だが交渉とは大抵、対等ではない。事前に互いの立場から強弱の関係があり、それにもとづき不平等条約が結ばれ、事実上一方的な関係・結果となる。つまり勝者と敗者にわかれる。交渉・対等という体裁をもっただけの勝負・侵略・支配である。極論すると私たち生物は、生死・勝敗の2極化した一端を追求したがる者なのである。

 そこで問題。自分が勝者になるためには、どのような態度をとるべきか。まわりを見てみると人によって異なる戦略をとっている。今回はそのパターン分析をした。

人の言葉に対する態度パターン

 人によって誰かの言葉や要求にどう反応するか違う。そのパターンは以下2種に大別できる。

型名 態度
プレイヤー(単純)型 一貫した態度により実行効率を最大化する
マネージャ(複雑)型 人や場面に応じて態度を分け、リスク分散とチャンスの最大化を図る

 プレイヤー型は自分自身が実践して生きるのに向いているタイプ。マネージャ型は他人を操作して搾取するのに向いているタイプ。

観点プレイヤーマネージャ
規模
実践者自分他人
人数12〜(自分1、他人1〜)
活躍の場現場管理

社会の中で勝つならマネージャ型

 グローバル経済社会において自己資産を最大化するならマネージャ型であるべき。利益とは他者から巻き上げるから生まれるものである。もし自分で自分のことをするだけなら、対価に見合った結果(成果)を得るだけでプラマイゼロにすぎないのだから。

 そこで自分の欠点を補うべく他者を利用する。苦手なことを他者にやらせ、その分のコストを減らし、かつその分の成果だけを頂けば利益が最大化する。もちろん相手は納得しないので、妥協点として取引を提案する。つまり先述のものをもらう代わりに、自分が得意で低コストに成果を出せるものを相手に渡すのだ。これで収支はプラスとなる。

 その証明として次のように概算してみた。

取引で得するしくみ

 自分と相手が事Aと事Bを行うために必要なコスト表。

コスト(支出)表
人/事AB
自分19
相手91

 おなじく成果(収入)表。

成果(収入)表
人/事AB
自分327
相手273

 苦手なことほど支出と収入が高くなる。理由は苦手なせいで得難いため主観的に価値が高くなるから。希少価値(レアリティ)である。成果価値(収入)は適当にコストの3倍とする。

 AとBの両方をするとき、自分の収支合計が最も高くなる方法はどれか。

方法 A支 B支 A収 B収 計(収入-支出)
苦手なことBを相手に依頼する 1 0 0 27 26 (=27-1=(27+0)-(1+0))
自分一人でやる 1 9 3 27 20 (=30-10=(3+27)-(1+9))
得意なことAを相手に依頼する 0 9 3 0 -6 (=3-9=(3+0)-(0+9))

 答え。苦手なことを相手に依頼し、得意なことを相手に差し出す方法。

 相手に依頼すると対価を渡すことになるため、その分の収入はゼロになる。代わりに相手から受け取る分のコストもゼロになる。なので苦手なことを依頼すれば多大なコストが減り、多大な収入が得られる。

さらに詳しく

さらに詳しく

 上記の概算では次のことが考慮されていない。

  • 成果価値(経験値)
  • 対話コスト

 もし次のような条件で計算したらどうなるだろうか?

成果価値(収入)の内訳=成果物の客観的価値+実践経験
対話コスト=成果価値(収入)の30%

 成果の中には「経験」もあるはずである。実践したときに得た知識や身につけた技術は、次に事を行うときのコストを下げることにつながる。ならば自分ひとりでやりつづけたほうが長期的には得なのではないか?

 取引するには対話コストがかかるはずである。相手と都合を合わせたり話術や心理学などを駆使し、トレンドについて常にアンテナを張りつづける。得られるものもあるがコストも高い。これを続ければやがて慣れてきて取引にかかる対話コストがいくらか下がるだろう。ならば取引したほうが長期的には得なのでは?

 自分でやるべきか、相手と取引すべきか。これを判断するには「どちらが得意か」で決めればいい。なぜなら先述概算したとおり得意なことのほうがコストが少なく済むから。

得意 有利(得)
実践 ひとりでやる
対話 取引(苦手なことを相手に依頼し、得意なことを相手に提供する)

継続は利益なり

 利益を最大化するには、自分の得意なことを作ることが大切だ。その上で苦手なことを知ることになるだろう。得意なこととは継続してきたことである。なんでもいいからやってみて、継続できたら得意なことだし、継続できなければ苦手なことだ。好き/嫌いをそのまま得意/苦手といってもいい。好きなことは継続できるし、嫌いなことは継続できないからだ。

利益を最大化する
=得意なことを自分でやり、苦手なことを他人にまかせる
=得意なことをつくり、苦手なことを知る
=継続する
=継続できたことは最初から得意だったことか、得意にできたことである
=継続できなかったことは苦手なことである

 個人にできることは限られているので限界がある。それはひとりで実践しようが取引しようが同じことだ。もし両方必要なら、得意なほうを自分でやり、苦手なことを人にまかせればよい。たとえば実践が得意なら実践は自分でやり、対話は人にまかせればよい。逆に、対話が得意なら対話は自分でやり、実践は人にまかせると得だ。

 継続は力なり。昨今、継続することが強く叫ばれている理由がこれだ。事Aを続けることで実践コストを低下させることができ、市場価値が高まり、取引しやすくなる。よって継続することは勝利し生き残るための最適な行動である。

 もし苦手なら続けられない。続けられたなら得意であったか、得意にすることができたということだ。やってみて苦手だと判断したら中断したほうがよい。損切りするのは心理的にむずかしいが「失敗経験という得難い成果を手に入れた」という事実があることを忘れてはならない。苦手を知ったことは利益を得るための取引に必要だし、自分の時間と労力を今後そこに無駄に割くこともなくなって効率化する。その失敗はそれらのために必要なことだったと納得し、やめて次へ進むのがベターだ。ただしどの時点でやめるのかに明確な答えがないからむずかしい。いつでもやめられるよう「失敗経験をログに書き残す」ということをすれば、それ自体が成果物になるし、やめる口実やタイミングの判断材料にもなるためオススメだ。

 やってみなければ知ることができず、知らねば継続できるかどうかもわからない。継続することで知り、対話する素養がえられる。さらに継続すると技術が身につき、得意なこととなって、それを取引材料にできる。つまるところ、とにかく「やってみる」が最適解なのだ。このブログのタイトルが答えである。

独占支配して一強になる

 話をもどす。社会の中で勝つならマネージャ型(人・場合で態度を変える)のほうがよい。

 もし自分と他人の長所・短所が噛み合えば取引により相互扶助の関係を築けてWinWinとなるだろう。そんな相手を増やしてゆき力をつけたら、やがて誰も逆らえない一強となり独占・支配できる。たとえばGAFA、政治家、官僚、警察官、経営者などはその立場を利用して私服を肥やしている。法律でさえ彼らの味方だ。

 一般人でも同じことがいえる。子供から大人になるとき、単純で純朴な人柄から、表裏のはげしい汚い大人になる。そうなってしまうのは、できるだけ多くの人と関係を結ぶことで利益を最大化したいからだ。その成否が生存できるかどうかに直結する。いわゆる社会人である。

 自己都合がある中で、清濁を併せのむ矛盾と複雑さに翻弄されつつも上手く舵を取る者は、他者から奪える確率があがり、自己の生存率や利益が最大化する。

 できるだけ多くの相手に合わせることができたほうがチャンスが増える。なので一貫した態度であるプレーヤー型より、人や場面によって態度を変えるマネージャ型のほうが社会の中における生存率・成功率が高く、多くの利益を得やすい。

プレイヤー型

 単純型。相手や場面が変わっても概ね同じ態度をとる。

パターン名 特性 職業例 概要
わからず屋 一貫 職人 人の意見をきかず自分の意志を貫き通す
わかり屋 接待 ビジネスマン 相手に同調し合意を得られるよう誘導する
わからせ屋 脅迫 ヤクザ 相手に圧力をかけ力づくで奪う
わからされ屋 弱者 社会不適合者 意志が弱く、相手に押されてしまう

マネージャ型

 複雑型。相手や場面に応じて態度を変える。特に180度逆転させるのが最も効率的。つまり裏表のある人のこと。

概要
わからず屋 わからされ屋 ある面では強いこだわりを見せるが、他の面では無知で弱い
わかり屋 わからせ屋 強者には媚びへつらい、弱者には威圧的なクズ
わからせ屋 わからされ屋 なめられぬよう必死な弱者
わからされ屋 わからせ屋 誘い受け。弱気にみせかけ仲良くなり油断させた後に奪う

 上記が代表例である。組合せパターンは他にもある。また、表と裏だけでなくもっと多くの使い分けをすることがある。ある特定の個人や組織でとる態度A、べつの相手にとる態度B、さらにそれらのうち状況aでとる態度aと、状況bでとる態度b。これらを組み合わせるだけで4パターンある。(Aa,Ab,Ba,Bb)

表裏パターン網羅

概要
わからず屋 わかり屋 人見知り。信用する者には我儘な態度をとって甘え、知らぬ者には適当にハイハイ答えて躱す
わからず屋 わからせ屋 頑固者。雷親父。亭主関白。内弁慶。老害。職人。頑固一徹、わが道をゆき、相手にもそれを強いる。彼の辞書に「妥協」の二文字はない
わからず屋 わからされ屋 ある面では強いこだわりを見せるが、他の面では無知で弱い
わかり屋 わからず屋 嘘つき。表向きイエスマンだが、裏では我儘放題。そうしてバランスをとっている。座右の銘「バレなきゃいい」
わかり屋 わからせ屋 強者には媚びへつらい、弱者には威圧的なクズ
わかり屋 わからされ屋 臆病者。へりくだる者。中身がない。自分がない。意志薄弱。表向き適当にハイハイ頷くし無知を隠そうと理解を示すが、知識も力もないため結局は相手に押し切られる
わからせ屋 わからず屋 男前。ストイック。プロ。相手が強者だろうが弱者だろうが情け容赦せず全力で立ち向かう。相手が強者でも決して折れない曲げないめげない屈しない。最強メンタル+最強フィジカル。実力で世界を黙らせる。
わからせ屋 わからされ屋 なめられぬよう必死な弱者
わからされ屋 わからず屋 自信がない。けれど仲良くなったら我儘をいって甘える。
わからされ屋 わかり屋 奴隷。自分の意志がない上、相手に嫌われることを恐れて一方的に奪われる立場に甘んじる。
わからされ屋 わからせ屋 誘い受け。弱気にみせかけ仲良くなり油断させた後に奪う。

所感

 あなたのタイプはありましたか? 私自身は「わからされ屋+わからず屋」か「わからされ屋+わかり屋」あたりだと思います。底辺ですね。他にもたくさんのタイプがいることでしょう。考えるだけで楽しい。責任はもちませんのであしからず。

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